映画『アバウト・レイ 16歳の決断』公式サイト。

2016年、新春TOHOシネマズシャンテ他にてロードショー

PRODUCTION NOTE

社会の変化、そして映画に託した思い

監督のゲイビー・デラルは次作に向けてのアイデアを思い巡らせ始めていた中で、親や祖父母、または子供がゲイやトランスジェンダーという家族の中で子供を育てる様々な人たちと出会った。思春期の子供たちを持つ彼らの話を聞いて、1960年代後半から1970年代初頭にかけての性の解放運動から数十年が経ち、肉体的な性や社会的な性に対する考え方の変わりつつある中で、十代の子供を育てるというのは、どんな感じなのだろう、と考えたことがこの作品作りのきっかけだった。

「自分は男だと思っている人間がいる三世代の同居という設定が面白いと思ったのよ」と監督は語る。「祖母については、彼女が若いころはカミングアウトするなんてできなかったから、人目を忍んで過ごして暮らしてきた後、今は、幸せな関係を送っている姿を描きたかった。それに対して、ティーンエイジャーの孫はすでにトランスジェンダーだと公言していて、肉体的な性別適合手術を望んでいるの。祖母にはそんな彼女の考え方をすぐには理解することができない。そして、2人の狭間にいるドリーの娘はシングル・マザーとして子供を育てるのに奮闘しているのよ」

監督はユーモアと同時に、家族の戸惑いのドラマの可能性を見出した。ジェンダーを変えることはストーリーとしては刺激的だけど、それだけに焦点を当てているわけではないと主張し、次のように語った。「私は強い絆のある家族が、試行錯誤したり悩んだりしながら1人の子供を育てるという、親近感の持てる映画を作りたかったのよ」

そして、プロデューサーでもあるドロシー・バーウィンにこのアイデアを持ち込だ。

「すぐにストーリーが気に入ったのよ。心温まる話なのに、おかしくてインテリジェンスがあって。監督のコンセプトにシリアスな社会問題を扱った“今”を感じたのよ」と当時を振り返る。それから二人は2012年秋に脚本と核となるテーマについて話し合い始め、個々のインタビューや(支援)組織やドキュメンタリー素材、もちろん動画ブログなどやトランスジェンダーのコミュニティによるウエブ素材などを参考にしたという。そして最終的なゴールは、現代の家族像を描くことだった。「この家族にはいろんな側面があるの。マギーのシングル・マザー観、レイの苦悩…。まさに現代の私たちの社会なのよ」バーウィンは主張する。「私にはLGBTの友人や家族がいるから、最善を尽して描きたかった。この映画の核をなしているのは、家族であり、アイデンティティであり、愛と寛容の物語だと思っているわ」と熱く語った。

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